初期研修医として最初の1週間を終えました。ここではその振り返りをします。
最初の1週間
病院によっても違うのですが、初期研修の最初の1週間〜1ヶ月はオリエンテーションの期間になっていることが多いです。私の病院は1週間で、そのオリエンテーション期間では主に以下のことを学びました。
- 就業規則
- 医療安全の仕組み
- 感染防止対策
- 各診療科講義
- 手技のトレーニング
医師国家試験を通過している以上、もう学生ではありません。医師として医療を提供する上で、患者さんのみならず自分自身を守るためにも学ぶべきことがたくさんあります。
自分自身を守るために
医師として“命をかけて患者さんを救う”というのはなんともカッコいい響きですが、実際には自分の身を守ることが最優先になります。例えば道端で人が倒れている時には、その人を救うことよりも先に、周囲の安全が確保できているのか、手袋などの適切な感染対策をした上で治療開始できるのかを真っ先に考える必要があります。病棟で働く際には針刺し事故にも注意をするべきです。針刺しをしたいと思ってする人はいませんが、医師や看護師の1年目の事故が多いことも事実です。もし針刺しをしてしまった場合には、上級医や担当部署への早急の連絡を行い、対応を仰ぐようにしましょう。
医療を提供する最終準備
医師国家試験を無事に終え、卒業する頃には医学に対する知識や手技の能力は一定程度担保されていると言えます。とはいえ大学によって差がある手技の技能の穴埋めをしたり、実臨床での考え方を改めて学んだりする必要があります。そこで多くの病院ではオリエンテーションとして、各診療科の講義や手技のトレーニングがあります。私の病院では各診療科の講義として、見逃してはならない救急疾患を中心に学びました。具体的には以下のような疾患です。
- 脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)
- 心筋梗塞
- 急性大動脈解離
- 急性喉頭蓋炎
- 失神の鑑別
- 急性腹症の鑑別
他には輸液の選択方法や麻酔の導入などについての講義もありました。練習した手技は以下になります。
- ルート確保
- 動脈採血
- 中心静脈カテーテル
- 気管挿管
- BLS
どれも医師として働く上で直ちに役立つものばかりで、研修中、「もう来週には本物の患者さんにやることになるから」と言われながら気を引き締めて練習に励みました。特に中心静脈カテーテルについては、医学生の時に実習で見学はしていたものの、実際に手を動かすのは初めてでした。やり方については自治医科大学の動画が参考になると思いますので、気になった方は是非見てみてください。
オリエンテーションを終えて
オリエンテーション期間が終わると、内科・外科・救急・麻酔科などに分かれて本格的な研修が始まります。早速患者さんを受け持ったり、採血やルート確保をしたりと、患者さんからすると完全に医師として認識されるのです。今回のオリエンテーションを土台に、日々の症例から成長していきたいと思います。同じく頑張る研修医の先生方や、研修の様子が気になる医学生に向けて、定期更新を頑張ろうと思っているので応援していただけると幸いです。
以上、『初期研修、最初の1週間』という話題でした。
駆け出し医師Dr. K
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