抗菌薬は今や学んでいて当たり前の分野になりつつあります。1週間程度でサクッと基礎を抑えることで、“抗菌薬=わからない”から“抗菌薬=面白い”になり、病院実習や研修が楽しくなると思います。勉強法についてまとめたので是非ご一読ください。
抗菌薬とは何か
抗菌薬とはその名の通り、細菌に対して破壊や増殖の抑制によって対抗する薬です。近年では医師国家試験でも詳しい抗菌薬の選択についての出題があります。「抗菌薬は難しい」、「抗菌薬がわからない」という悩みを抱えている人は多いと思います。ですが今や抗菌薬は学んでいて当たり前の分野になりつつあり、初期研修が始まる前どころか学生の時代には一通り学ぶことが求められます。実際、臨床の現場に出るとある程度抗菌薬の当たりをつけ、その上で病棟薬剤師さんや上級医に相談することになります。1週間もあれば十分に基礎を身に付けられるので医学生のうちに必ず勉強を始めましょう。
勉強法
抗菌薬のおすすめの勉強法はシンプルにこの2ステップです。
- 抗菌薬の入門書を1冊通読する
- 実習など臨床の場でその都度勉強する
抗菌薬の入門書
入門書として適切な本の条件は以下の3つになります。
- 絶対に挫折しないような内容・分量である
- 幅広く抗菌薬を網羅している
- それぞれの抗菌薬の使い所、選択方法が臨床に則して書いてある
何より大事なことは絶対に挫折しないことです。学生時代に絶対に学ぶべきという話をしましたが、決して簡単というわけではありません。最初から抗菌薬の詳しい作用機序や投与量、相互作用などを一つ一つ勉強してしまうと多くの人は挫折してしまうと思います。そこで幅広く抗菌薬を網羅しており、かつ使い所が端的に書いてある参考書がおすすめです。私が読んだのは『わかる抗菌薬』(Amazon, 楽天)という書籍になります。それぞれの抗菌薬の強みがイラストでわかりやすく表現されており、入門書として非常に良かったと思います。好みもあると思いますので、他の参考書も含めて一度手に取ってみて、自分に合う参考書を選んでください。
臨床の場で学ぶ
入門書を1冊通読すれば、何となく使う抗菌薬はわかると思います。医学生のうちはそこまで学習すればかなり十分と言えます。しかし医師になればそれを自分でオーダーすることになります。実際に抗菌薬を投与する時には以下の4つを考えることになります。
- どの抗菌薬を投与するか
- 治療期間をどのように設定するか
- 投与量および投与間隔をどう設定するか
- どのタイミングでescalationやde-escalation(投与する抗菌薬のカバー範囲を広げたり、狭めたりすること)を行うか
抗菌薬およびその投与期間は主に現疾患で決まります。病院のルールもあることから注意して決定しましょう。投与量や投与間隔は腎機能や年齢などによって決まることが多く、添付文書を参考に考えます。どのタイミングでescalation・de-escalationするかはなかなか高度な問題です。細菌培養の結果から感受性が出ればde-escalationするというのはよくある流れですが、それ以外の場合で悩ましい場合は多々あります。抗菌薬が効いているかどうかを正確に判断することは難しいことも多いのです。上級医の先生や薬剤師の先生に話を聞きながら、臨床での考え方を吸収しましょう。
まとめ
抗菌薬とは何か、どのように勉強するべきかについてお話しさせていただきました。抗菌薬は一度学んで終わりではなく、継続してアップデートしていく必要がある分野になります。そのための基礎作りとして、まずは簡単な入門書を一冊通読することをお勧めします。この記事が先生方の学習の一助になれば幸いです。いいね!と思った人は共有をよろしくお願いします。毎週月曜日朝6時の投稿を目指しています。ブックマークやX(旧Twitter)のフォローも是非よろしくお願いします。
以上、『【医学生必見】“抗菌薬=わからない”を一気に解消する方法』という話題でした。
駆け出し医師Dr. K
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